ロードスターのドアウェッジを交換すると、運転した感覚はどう変わるのか。今回は、装着していたOPENCAFE GARAGE製のドアウェッジを外し、純正へ戻して1週間走ってみました。
結論からいうと、私は純正のまま乗りたいと感じています。特に好ましかったのは、カーブでステアリングを切り足したときの反応です。操作した量と、車がさらに曲がろうとする反応の釣り合いが、純正の方が自然に感じられました。
この記事では、私の車で、いつもの通勤路を走ったときに感じた走り、乗り心地、静かさ、ドアの開閉の違いをまとめます。今回の条件で、私の好みに合ったのは純正でした。
純正へ戻した理由は、助手席側からの異音
純正へ戻したきっかけは、助手席側から異音がしていたことです。
その異音をきっかけに、装着していたOPENCAFE GARAGE製のドアウェッジを外し、純正へ戻しました。戻した後、この1週間の通勤では、助手席側から気になっていた異音はしなくなりました。
異音の発生原因までは特定していません。ここで確認できたのは、私の車で、純正へ戻した後の1週間は気になっていた音がしなくなったという経過です。
比較した車両と走行条件
| 項目 | 今回の条件 |
|---|---|
| 車両 | 2026年式ロードスターNR-A |
| 比較した部品 | OPENCAFE GARAGE製ドアウェッジと純正ドアウェッジ |
| 純正へ戻して走った期間 | 1週間 |
| 走行した道路 | 通勤路 |
| 幌 | 閉じた状態 |
| タイヤ空気圧の変更 | なし |
| その他の変更 | なし |
純正へ戻して感じた違い
今回の車両は、私の2026年式ロードスターNR-Aです。社外品から純正へ戻し、1週間走ったときの感想を記録しています。
| 比較項目 | 純正へ戻して感じたこと |
|---|---|
| ステアリングを切り足すとき | 操作量に見合った反応が返ってくる感覚 |
| ステアリングの重さ | 一貫性が出た |
| 凹凸を通過するとき | 若干柔らかくなったように感じた |
| 助手席側の異音 | 純正へ戻した後、この1週間の通勤ではしなくなった |
| 静かさ | 静かになった気がするが、確信はない |
| 運転席のドア | 変化を感じなかった |
| 助手席のドア | 閉める力が大幅に軽くなった |
これらは私が運転して感じた違いです。車体の剛性や操舵応答、騒音を測定した結果ではありません。

切り足したときの反応は、純正の方が私の好みに合った
一番印象に残ったのは、カーブでステアリングを切り足す場面です。
社外品を装着していたときは、操作を「1.0」とすると、車がさらに曲がろうとする反応が「0.95」くらいに感じられる領域がありました。常にそう感じるわけではありませんが、切り足した操作に対して、反応が少し足りないように感じることがあったのです。
純正に戻すと、その釣り合いが「入力1.0に対して反応1.0」に近づいたように感じました。
※1.0と0.95は、感覚を説明するための例です。実測値や、反応に5%の差があるという意味ではありません。
私にとっては、切り足した量に見合って車が曲がろうとしてくれる感覚が好印象でした。また、ステアリングの重さにも一貫性が出たと感じています。
凹凸での乗り心地は、若干柔らかく感じた
路面の凹凸を通過したときの乗り心地は、純正へ戻した方が若干柔らかくなったように感じました。
ただし、大きな変化を断言できるほどではありません。今回の1週間では「少し柔らかく感じる」というのが、私の率直な感想です。
「こんなに静かだったっけ?」と感じた
きっかけとなった助手席側の異音は、純正へ戻してからしなくなりました。それに加えて、走行中の車全体の静かさについても、気づいたことがあります。
走っていて、「あれ、この車はこんなに静かだったっけ?」と感じました。ただ、ここは気のせいかもしれません。騒音を測ったわけではないので、静粛性が向上したと断言することはできません。
今回は、そう感じた場面があったという記録にとどめておきます。
私の車では、助手席のドアが軽く閉まるようになった
ドアの開閉では、左右で感想が異なりました。
運転席は、純正に戻しても変化を感じませんでした。一方、助手席は閉めるのが圧倒的に軽くなりました。
少なくとも今回の私の車では、助手席の閉めやすさに明確な違いを感じています。
なぜ純正の方が自然に感じたのか|開発経験からの考察
ここからは、今回の体感をもとにした私の考察です。車体の変形やドアウェッジの接触状態を測定して、原因を確認したものではありません。
車のフィーリングは、組み合わせ全体で仕上げていく
私は以前、自動車メーカーで車両開発に携わっていました。担当していたのは、音や振動に関する性能の領域です。
タイヤ開発では、走りの性能を担当する関係者と、互いの開発スケジュールを確認する機会がありました。そこで、車両の目標をクリアするタイヤの開発を終え、その後にダンパー、ステアリングの順でチューニングを決めていくという開発順序を知りました。
この経験から、各部品の特性を踏まえ、車両全体としての動きや手応えを仕上げていくものと理解しています。
ここで紹介するのは、当時のスケジュール確認を通じて知った順序です。私自身がそのチューニングを担当したという意味ではなく、今回のNDロードスターの開発手順を説明するものでもありません。
ただ、純正の車体を前提に仕上げた車両で、ドア周辺の拘束条件が変われば、チューニングの前提となる条件も変わるのではないか。これが今回の考察の出発点です。
下敷きで考えると、変形のバランスをイメージしやすい
車体の変形をイメージするには、下敷きを思い浮かべると分かりやすいと思います。力を加えると、曲がったり、ねじれたりします。
その下敷きの中央を補強したら、どうなるでしょうか。中央が曲がりにくくなることで、前後との変形のバランスが変わります。
ここで言いたいのは、両端の変形量が必ず増えるということではありません。中央の変形が抑えられると、残る部分の変形が相対的に目立つ、というイメージです。実車が下敷きのように均一にしなるという意味でもありません。
今回も、ドアウェッジの変更によってドアと車体の相対的な動きが抑えられたとすれば、車体中央付近と前後との変形のバランスが変わった可能性を考えています。
仮に隙間のある部分が負荷によって接触するなら、その前後で拘束のされ方が変わることも考えられます。ただし、今回の車で、どの部分がいつ接触したかは確認していません。接触した後も部品は変形するため、車体が「剛体になる」という説明ではありません。
操舵をきっかけに、前後輪と車体が応答する
旋回のきっかけは、ステアリング操作です。
前輪の舵角が変わると、前輪のスリップ角と横力が変化します。それによって車両の横移動やヨー運動が変わり、後輪のスリップ角と横力も変わっていきます。その後も、前後輪の横力と車体の運動は互いに影響します。
スリップ角とは、タイヤの向きと、実際に進む向きとの角度差です。ヨー運動は、上から見た車の向きが変わる動きです。前輪の力そのものが後輪へ届くというより、車両全体が応答する過程として捉えています。
タイヤの横力をスリップ角から扱う基本的な関係は、技術計算ソフト「MATLAB」とシミュレーション環境「Simulink」を開発するMathWorksの公式資料でも確認できます。参照したのは、Simulinkで使う車両運動モデルの説明です。ただし、このモデルは剛体モデルであり、今回のドアウェッジによる車体変形の影響を示すものではありません。
私の仮説は、ドア周辺の拘束条件が変わることで、ロールを含む車体運動と足回りの相互作用が変化し、この一連の応答や手応えに影響したのではないか、というものです。
マツダの公式資料にも、剛性バランスと専用チューニングの例がある
マツダの技報には、ロードスターRFで車体の剛性バランスを最適化するため、穴を追加した専用トンネルメンバーを採用したと記載されています。また、ハードトップ化に伴う重量・重心高・剛性の変化に合わせ、サスペンションの設定とステアリングのチューニングを見直しています。
参考:マツダ技報2017 No.34「新型ロードスターRFの紹介」該当ページ
これは今回のドアウェッジの効果を証明する資料ではありません。ただ、車体の硬さだけでなく、そのバランスと足回りの組み合わせを整えている実例です。
なお、OPENCAFE GARAGEはSr.3の開発について、接合部の隙間や素材を見直し、設計時に想定されていたと考える機能へ近づける意図を説明しています。これは製作者による説明であり、私が使用した製品の世代や仕様は、この記事では特定していません。
参考:OPENCAFE GARAGE「ドアウエッジ Sr.3」
私の体感を説明する仮説として
今回、純正へ戻したことで、ステアリングを切り足した量と車の反応が、私にはより自然に釣り合うように感じられました。
その理由として、純正の組み合わせへ戻ることで、車両全体として仕上げられた変形や応答のバランスが、私の好みに合う状態へ戻った可能性を考えています。
ただし、ドアウェッジの交換によってどの動きが変わり、体感につながったかは特定できていません。「社外品にするとリニアな特性が失われる」という一般的な結論ではなく、今回の私の体感を説明する仮説です。
私は、純正のまま乗りたい
純正へ戻して1週間走った今の結論は、「このまま純正で乗りたい」です。
特に気に入ったのは、ステアリングを切り足したときに、操作量に見合う反応が返ってくる感覚でした。ステアリングの重さに一貫性が出たこと、助手席のドアが軽く閉まるようになったこと、そして気になっていた異音がしなくなったことも、純正を選ぶ理由です。
今回の比較で、自分が好む運転感覚を改めて確認できました。今後は純正のまま乗り、今回感じた印象が続くかを確かめていきたいと思います。